TC88 エンジン修理②
未だになぜベアリングが砕けたのかは不明ですが、エンジンの異音の原因はカムシャフトの暴れなのは間違いないでしょう。
クランクケースの交換という修理方法が一番オーソドックスですが、クランクケース(左右セット)で約35万円と とっても高額!。さらにエンジン型式の刻印が必要となりディーラーさんにお願いする必要が出てくるのでさえらに・・・。
クランクケースのベアリングホールをボーリング加工屋さんで修理してもらうことにしました。
方法は、削れた箇所を整形し、そこにベアリングホールの寸法に加工したブッシュを打ち込む作戦です。
クランクケースはアルミ製でスペースにも余裕があるので精度は要求されますが 可能な修理でしょう。
熱膨張と加工のしやすさを考慮し、ブッシュもアルミにて作っていただき、後のベアリング交換時に外れてしまわない様、ケースにビスで固定してもらいました。
これで破損箇所の修正は可能になりました。
TC88 エンジン修理①
さて、コロナ渦の中、いつものようにマイペースです。
今回から数回 TC88エンジン修理の模様をお伝えしていきます。
症状:エンジン稼動時に結構大き目なタペット音がする。
・・・油圧リフターのトラブルの疑い・・。
早速エンジン右下側のカムギアカバーを開けて内部を確認。パッと見た限り特にトラブルは見られなかったので、
更に深く確認をするため、車体外装品を取り外し トップエンドを分解。
油圧リフターを抜き取り、カムシャフトをカムプレートと共に取り出してみたところ、フロント側のカムの上に″鉄辺″が・・・・
。カムの山には大きな損傷も見られないので、クランクケース内を覗いてみると、有るべき筈のベアリング(カムニードルベアリング)が無い!
何かの原因でこのベアリングが砕け散ってしまったよう。クランクケースのベアリングホールの形状も変形して仕舞っています。
さあ、なかなか手間のかかる修理になりそうです。
ニュートラルに入りにくいバイクにお勧め
久しぶりです。
今回も・・・。
お勧め商品です、今回は。
Evoビッグツインモデルや、XLモデルでニュートラルに入りにくいバイクにお乗りの方にお勧めです。
バーネットというメーカーから発売されている「エクストラプレートクラッチ」という商品です。
何がエクストラかといいますと、本来クラッチ板の間に有るスプリングプレートという物(写真の左の輪っか)が無くなり、その代わりにフリクションプレートとスチールプレートが入り、クラッチ容量が増えています。そのため上記のモデルでの変速が結構楽になり、ニュートラルへも入りやすくなります。
絶対!!とは言いませんが、当店ではいい成果が出ています。
これも時々あるトラブルです。
写真の左側にある部品が正しい状態で、ローター(正式部品名はRotor Kit)と呼ばれる発電のために必要な部品です。エンジン左側のプライマリーケース内にあり、形の違いは有れど ほぼ全てのHDについています。
で、右側がNGになってしまった部品。どこがNGかといいますと、真ん中の穴の部分のスプラインが削れただの円になってます。
原因はその上に写ってるでっかいナットの緩みなどです。
この緩みによってローターにガタが生じ 段々とスプラインが削れていったのでしょ。
詳細は省きますが このナット、その奥の部品の形状のため緩みが生じやすい状態にあります。
なかなか日常的に緩みを確認できる部品でもないのですが 『音』で緩みが確認できる場合が有りますので、プライマリーケース内から変な音が聞こえ出したら気にしましょう。
こんな物も折れるだぁ!
ちょいとこのサイトのリメイク(セキュリティーとかスマホへの対応とか)の影響で表示が変な場合があるかもしれませんが、優しく見過ごしてください。
さて、壊れた工具のお話です。
写真の物はSwissのPBってメーカーのインチサイズヘックスレンチ。日本では六角レンチなどとも呼びますが、それの7/32インチ(≒5.6mm)が、私の握力で折れました!
そんなとんでもない握力の持ち主でもなく、無茶な力をかけたわけでもないのですが。
まあ、購入後20年以上使ってはいますが、まさか折れるとは考えていませんでした。
折れた瞬間の手に伝わった衝撃はなかなかの物でした。